話すことと食べることに困難さを抱えておられる方のお話し。
歯肉癌術後の後遺症のため、舌や顎など食べるための口の機能は、厳しい状態。
なんとかミキサー食を食べておられましたが、どうにかして形のある物が食べたい!というご希望で、私たち在宅NSTに依頼が来ました。
訪問当初は、形のあるものを食べたいという期待が半分、私に食べられるだろうか?という不安が半分でした。
週一回のST訓練で、口の体操や声を出す練習を繰り返し、
宿題のプリントで、自主練習もしていただきました。
最初は思うように口が動かず、「あかんな~」と納得がいかないH様。
しかし、何度もチャレンジするうちに、少しずつ出来ることが増えていきました。
タイミングを図りつつ、当院の医師や管理栄養士と相談し、『あいーと』(イーエヌ大塚製薬)を試してみることに。
見た目には形があるのでH様は「大丈夫かな?」と不安でしたが、おそるおそる食べ始めると今度は「おいしい、おいしい」と何度も言いながら、全部食べてしまいました(^^)
ほっと喜んでいた私たちでしたが、
H様:「美味しかったけど… 」またまた少し不安な様子
私たち:・・・・・(うーん参ったな~(^^;)
けど、その不安な様子もH様らしさかもしれないと、私は感じました。
どのような方であっても、その方のペースを尊重して、
ゆっくり焦らず、慌てずに、一緒に取り組んでいます。