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食事を通して味わう季節 - 管理栄養士の試行錯誤

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訪問栄養指導

気温が変わりやすく、服装にも困る今日この頃です
スーパーの食材売り場では、春から夏へ旬の食べ物も徐々に変化しています

Tさんは進行性の難病をお持ちで、現在は一日ほぼベッドの上で過ごされています
コミュニケーションの方法は問いかけに対する「まばたき」です
飲み込みづらさもあり、ミキサー状にして、少しずつ様子を見ながら食べています
当院のSTは毎週、管理栄養士は隔週で、色々と工夫をした食べ物を用いて、食べて頂いています
(これも訓練の一環です)

イチゴのすりおろし、桜餅風のミキサー食など
一日中お部屋で過ごされるTさんに、少しでも季節を感じて頂きたく、管理栄養士も思考錯誤を重ねています

今回は『若竹煮』

私:「Tさん、今日は『若竹煮』です」
Tさん:“ゴキュッ”

生唾を飲む音がします
ひとくち、口に運ぶと、2~3回口を動かし、“ゴクンッ”・・・なんだか微妙なお顔です

あれ??もう一口
さっきより口はよく動いています

あまり、お好きじゃないのかな?
ちょっぴり不安になり、顔を見合わせます

私:「まだ、食べられますか?」
Tさん:すぐに“ぱっちり”まばたき

いつもより、早めの反応にビックリ!
あ!味わっておられたのか!
さらに、おかわりまで求めてくれました!

私にとって、この瞬間が、とても嬉しい瞬間です。
私より、多くの人生を歩んでこられているTさん。
何年、何十年と旬のものを食べ、季節を感じて来られたのだと思います。
ベッドの上で過ごされる現在も、季節を感じる楽しみの一つとして、食べることを楽しんでいただければ、私達もとても幸せです。
お食事を通して季節を共に味わい、楽しみたいと感じた、晩春の穏やかな午後でした。

ST.mo

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